中濃ソースとは?
中濃ソースとウスターソースの違い
「中濃ソース」は東日本、「ウスターソースは西日本」
「ソースといえば中濃ソース」と言うように食卓でよく見かける中濃ソースですが、もしかしたら関西の人は馴染みがないかもしれません。
それもそのはず、東日本では60%以上の世帯が「中濃ソース」を、西日本では70%以上の世帯が「ウスターソース」を常備していると言われています。
中濃ソースは大きく分けると「ウスターソース類」に分類され、その名の通り、ウスターソースと濃厚ソース(とんかつソース)の中間あたりのトロみと味わいのあるソースが特徴です。
ウスターソースは元々、19世紀にイギリスのウスターシャー地方で主婦が食材の余りを調味料とともに入れて、保存したままにしたのが始まりだと言われています。
そのためウスターソースは酢・アンチョビ・玉ねぎ・ニンニク・香辛料・糖類から生まれた幅広い味わいが楽しめるのでしょう。
ちなみに日本でウスターソース類が誕生したのは、同じく19世紀の神戸発
の「阪神ソース」。日本のソースが元祖であるイギリスのソースよりも辛さ控えめな理由は、トマトやりんごなどの野菜や果物がたっぷり使われていること。より日本人の味覚に合った味わいになっていることもその理由の1つです。
中濃ソースの30%は野菜や果実、そして30%は調味料やスパイス、そして残りの30%は疲労回復や食欲増進に効果があると言われているお酢からできています。味付けとしてはもちろん、お酢とスパイスで防腐・殺菌効果も期待できる優れた調味料と言えるでしょう。
最近では、無添加・ノンオイルの安心素材で作られているソースも多く販売され、自然の味を楽しめます。
一見、味が濃くて高カロリーなイメージの中濃ソースですが、原材料から考えると非常にヘルシーであることが一目瞭然です。
中濃ソースの選び方
基本ソースの種類
ウスターソース類は主にウスターソース、中濃ソース、濃厚ソースの3つに分類され、大きな違いは甘みとトロみです。
※JAS規格で以下のように定められています
①「野菜若しくは果実の作汁、煮出汁、ピューレー又はこれらを濃縮したものに砂糖類、食酢、食塩及び香辛料を加えて調製したもの」
②「これにでん粉、調味料等を加えて調製したもの」
↓粘度と特徴↓
ウスターソース
ウスターソースはウスターソース類の元祖であるソースで、イギリスが発祥の地です。
このソースは粘度が「0.2Pa・s未満のもの」と定義されており、一般的に辛口でサラサラしているのが特徴。
関西や近畿、九州などの西日本でも親しまれていて、フライや串カツなどに合わせて食べることが多いです。注意すべき点は、サラサラしているにも関わらずスパイシーで味が薄いわけではないので、付けすぎないように気をつけましょう。
中濃ソース
中濃ソースは、ウスターソースと濃厚ソースの中間あたりにある粘度が「0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満」と定義。原料である野菜や果実の繊維質が含まれるため、ウスターソースよりトロみが増しています。
中濃ソースは何にでも合うオールラウンダーですが、ハンバーグやカレーに使われることが一般的でしょう。
濃厚ソース
濃厚ソースは粘度が「2.0Pa・s以上」のものと定義されていて、別名「とんかつソース」とも呼ばれています。
ウスターソース類の中ではもっとも甘みとトロみのあるソースと言えるでしょう。
料理ではとんかつ、ウスターソースでは流れてしまう目玉焼きに使うのがオススメです。
濃厚ソースはデンプン粉などでトロみが増しているものがあります。
変わり種ソースの種類
ウスターソース類とは別に、お好みソースやたこ焼きソース、焼きそばソースなどの変わり種もあります。
お好みソース
お好みソースとはお好み焼き用のソースで、野菜やスパイスからつくられるウスターソース類とは違って、鰹ダシやお肉のエキスが入っているのが特徴。
お好み焼きは生地の中に鰹ダシが入っていたり、豚肉が入っている豚玉やイカ玉、エビ玉などの魚介類が入ります。そのため、お好みソースはお好み焼きとの相性がいいと言えるでしょう。
たこ焼きソース
鰹ダシやお肉のエキスがベースのお好みソースに、さらにアレンジが加わえられた「たこ焼きソース」一般的にはお好みソースよりもサラサラしており、たこ焼きの生地である醤油と鰹ダシとの相性を考えて作られています。
たこ焼きは生地自体に味が染み込んでいるため、たこ焼きソースはあくまでサブ的存在。
そのため、サラサラとしてシンプルな味わいになっています。
焼きそばソース
焼きそばソースは、3つの中でもっともお魚エキスとお肉エキスを多く含んでいるのが特徴。これひとつで味を左右するといっても過言ではないほど、うま味がたっぷり詰まっています。
また、一般的にサラサラとしている理由も、鉄板で焼くことでソースの水分を飛ばすこともできるからです。
もちろん全ての焼きそばソースがサラサラではなく、中にはとろみのあるソースも存在しています。
ちなみに、ウスターソース類は原料にお酢が含まれているので、防腐・殺菌効果が強く、未開封であれば冷暗所で約2年ほど保存できます。開封後は用例像で、ウスターソースで約3ヶ月、中濃ソース、濃厚ソースで2ヶ月の保存が可能。
原材料別(カロリーメイン)選び方
また、ソースを摂取する上で気になるのはもっともカロリーだと思います。ライバルの醤油やドレッシング、マヨネーズなどと比べ、実際にソースはどれほどのカロリーなのか見ていきましょう。
中濃ソース(ウスターソース類)
中濃ソースに使われる野菜は主に玉ねぎやトマト、果物はリンゴとパイナップルなど。そこにスパイスを入れ、あとは酢でできているので非常にヘルシーです。
また、化学調味料や着色料、保存料が未使用のものが多いのも魅力のひとつ。もちろん、すべてのソースが無添加ではないので、その見極めが必要となります。
カロリーは大さじ1杯(15g)で24kcal
中濃ソースの選び方
ウスターソース類のソースを地域別で見て行きましょう。
ウスターソース類である中濃ソースは、関西地方で知られていないのが実情。とんかつには濃厚ソース、串カツにはウスターソースと思われているウスターソース類について詳しく解説していきます。
ソースを大きく分けると、日本列島を東西で分けることができるのですが、実はソースメーカーの群雄割拠によってソースの好みが分かれている模様。
東日本は「ブルドックソース」、西日本は「オタフクソース」。そのため、東日本ではトンカツソースや中濃ソース、西日本ではウスターソースやお好みソースが流通していると言えるでしょう。。
そのため、関西の人は中濃ソースの味どころか、そもそも存在自体を知らない人もいます。
また、別のデータでは日本全国で消費量にバラつきがありますが、総務省統計局「家庭調査」によると平均的に一人当たり年500ml以上を消費しており、一位の広島県は1000ml以上消費しています。(2017年データ)
関西では意外と知られていない中濃ソースはカロリー的にも原材料的にも積極的に摂取すべき調味料のひとつ。
特に、添加物が気になるお子さんやダイエッターの方にもおすすめです。是非あらゆる料理に試して、オリジナルの食べ方を見つけてください。